マルハヤシ醤油 うすくち醤油 淡口月

本日は九州の淡口のお醤油の紹介です。
九州の有明海、また呼び方によっては島原湾と評される、佐賀、長崎、熊本にわたる内海にせり出した半島、島原半島のお醤油です。

全国にある城の中で第3位となる5重5階33mの高さを誇る島原城(天守閣は復元したもの)を中心に城下町として発展をしたこの街は、東の背後に雲仙火山がそびえ、西の海へ20kmほど直線で結ぶと熊本市がある山と海に挟まれた街です。
現在でも島原城の東側には水路と石垣が特徴的な武家屋敷通りが残っており、城下町の名残を残しています。

海から島原を臨む 島原-熊本航路

さてそんな島原城から約2キロ北上した国道251号線沿いに、今回のお醤油屋さん合資会社林醤油本店(マルハヤシ醤油)さんがあります。
創業は1918年、大正7年2月18日。


この年は第一次世界大戦後好景気の背景から、前年にはキッコーマンの前進「野田醤油会社」が誕生し、島原の近く南島原でも1918年1月に「喜代屋」さんが創業と、全国的に醤油味噌を生業として起業する会社が多かったこの年に林醤油本店さんも創業しました。創業当時には、島原城と島原駅を結ぶ森岳商店街で営業していたそうですが、現在は工場が併設された前述の場所で営業されています。

島原市は「水の都しまばら」と呼ばれ、上下水道をほぼ地下水で賄っており、市内には約70箇所の湧水地から一日20万トンの湧水が湧き出すそうです。
島原半島全域で見てみても数多くの湧水地がある地域だそうで林醤油本店(マルハヤシ醤油)さんの近く(約1.6km)にも塚原食品本舗(マルイチ醤油みそ)さんがある理由がここにもありそうですね。


名水があるところにはうまい醤油あり。
じゃっちゃんの口癖を思い出します。

そんな名水の地、島原の一本がこちらの
「マルハヤシ うすくち醤油 淡口月」です。

定番の商品である淡口の醤油を200ミリリットルの瓶に詰めたギフト向け商品のこちらは一升瓶やボトル入りの昔ながらのラベルより洗練された印象ですね。

定番商品はこちらの感じ

色合いは非常に淡く、きれいな透き通った黄金色です。
白醤油と言われて出されたら間違ってしまいそうなその綺麗な色合いは、使う時のテンションをあげてくれますね。

ということで、まずは実食。

口にいれるとしっかりの塩分を口の中で「きゅーん!」と感じます。淡口醤油のなかでもそこまで塩分濃度は高くない方なのですが、しっかりと塩味を感じる印象でした。
そしてその後ろでは、甘味を中心にいろいろな味わいを複雑に感じられます。
甘みはわりとしっかりしており、塩味の裏側で「ここにいるよ!」ってアピールしているのですが、前面に主役として出てくるほどではありません。
その他にもいろいろな複雑な旨味や味わいを感じるのですが、そこはやはり九州のお醤油。その九州ライクな風味は、うすくち醤油でもその個性として発揮されています。

この九州的甘口のうすくち醤油、個人的に好きなジャンルですね!見つけるとついつい購入してしまいます。

何に使うのかと問われるとまず最初は汁物、煮物になるのかもしれません。
どの汁物に使っても美味しく、あっさりの煮物、茶碗蒸しなどにも間違いないでしょう。
そしてこれからの時期としては、島原郷土料理「具雑煮」に使うのが良いのでしょうね。具材を楽しめる甘みのあるうすくちの味わいは抜群の相性を発揮しそうです。

味見をしてみて今回はそれ以外の楽しみもありそうなので、つけかけなどを中心に使ってみました。

そのまま使うならやはり刺身。
そして白身魚が良いかと思います。程よく甘い味も魚を美味しくいただける要因となってくれていますね。
ホウボウの刺身、鯛の刺身、甘鯛の刺身で頂き、どれももちろん美味しかったのですが、アラの握りにつけていただいたのもはとても美味しかったです。柑橘類との相性も良い印象でしたね。

いくらの醤油漬けも作ったのですが、お醤油感が強いものが好きではない方是非こちらのうすくち醤油で作ってみることをおすすめいたします。
色味も黒くならず綺麗な色で出来上がり、醤油の適度な甘さがとても美味しくいただけますよ!

いかシュウマイにつけても美味しいかったです。先程柑橘との相性をお話しましたが、酸味を足して使うのも良いと思います。今回はやらなかったのですがドレッシングなどに使うのも良いかもしれませんね。

そしてやはり卵焼きにうすくちのお醤油はよいですね。
出汁巻きに使ってもよいですし、卵焼きにも良いと思います。
全体の印象として、調理に使うのもとても良し、そして調味に使うのも良しというどちらにも万能なお醤油の印象でした。

さてここからは余談ですが、「マルハヤシ」という名前のお醤油は、福岡県久留米市にも存在しており、そちらの社名は林商店さんとなります。島原の林醤油本店さんとの見分け方としては、

・屋号が行書体もの → 林商店(福岡県久留米市)
・屋号が丸ゴシック体もの → 林醤油本店(長崎県島原市)

という見分け方になります。
島原半島にはヤマト醤油さんというお醤油屋さんもありますが、こちらは金沢、富山にも同じ名称のところがあるのでそれも面白いところです。

※写真のサイズは200ml瓶です。おいしく頂きました。

マルハヤシ醤油 うすくち醤油 淡口月
品 名    : うすくち醤油
ブランド   : マルハヤシ醤油
製造者    : 林醤油本店
カテゴリ   : 淡口しょうゆ(うすくちしょうゆ)
発酵熟成   : -
仕 込    : -
原 料    : アミノ酸液、食塩、脱脂加工大豆(遺伝子組換えでない)、小麦、糖類(ぶどう糖果糖液糖)
調味料(アミノ酸等)、甘味料(甘草、サッカリンNa)、保存料(パラオキシ安息香酸)
塩分濃度   : 約15.4%
ホームページ : https://maruhayashi.net/
購入場所   : 林醤油本店
作ったもの  : 調理、調味のどちらでも