ハチマル 晴レノ日ノ醤油 こいくちしょうゆ

本日は東西に長いことでおなじみ静岡県のお醤油の紹介です。

東西に長いと前置きはいたしましたが、そのほぼ真中に位置する牧ノ原市にあるハチマルさんのお醤油「晴レノ日ノ醤油」です。

1828年(文政11年)初代鈴木八郎左衛門さんが醤油醸造業を起こしたことに始まるハチマルさんは、昭和の高度経済成長期に電線加工業に参入し、電子部品などを扱うハーネス部門、そして醤油醸造などの食品部門の2つを大きな柱として行う企業です。

事、 醤油に関してお話することにいたしましょう。
昭和50年頃には、静岡県の志太・榛原の醤油醸造業7軒による静岡共同醤油株式会社を設立し、醤油醸造の共通化を実現しました。日本アルプスの伏流水大井川水系の豊かな水があることからもこの土地は醸造に適した土地だったようです。※2007年に静岡共同醤油株式会社は廃業

時代は現代に戻り、2021年5月1日。
牧ノ原市を襲った突風被害で醤油工場が倒壊したとニュースがありました。

この突風被害に巻き込まれたのがハチマルさんの醤油工場、貯蔵庫でした。

被害は工場、貯蔵庫3棟全壊。

この被害を受け、瓦礫の撤去の作業していたさいに、工場の配送管から約40年前の熟成された醪が発見されました。

この醪を使用し作られた醤油が今回紹介する「晴レノ日ノ醤油」です。

突風被害時には、Instagramでこの時の状況を見ていたこともありますが、大変な状況だということはすぐに察することができました。
発見された醪を使い、工場再建などをする約2年の中での商品化は大変な苦労があったことと感じます。


そんな再建への信念が結実されたお醤油を頂くことにいたします。

化粧箱入り

今回商品となったものは、ハチマルさんのクラウドファンディングで支援購入しました。また「晴レノ日ノ醤油」の商品化前の一番搾りをパッキングした試供品、そして製品化後も商品を頂きましたので合わせて紹介させて頂きます。

クラウドファンディング返礼品バッグと本品

材料に兵庫県産の「丹波黒大豆」、北海道産小麦「ゆめちから」、沖縄県産の「天然海塩」、静岡県富士宮市で取水した「天然水」を使用し、先述の発見された醪を使い仕込んだ「晴レノ日ノ醤油」はその名の通り使う人が「晴レノ日」になるようにと願って名をつけられた一本です。

そんな名前のつけられたものならば少し良いもので食べたくなってしまいますね。

まずは開栓タイムです。
開栓すると香る良い香り、少し甘みを感じる部分があり同時に香ばしさのようなものも感じますね。

お皿に出すとほんの少しとろみがあるかなぁ?と思うテクスチャで、赤みが美しい綺麗な色合いです。


そんなわけで少し味見といきましょう。
口にいれるとまずはしっかりとした旨味を感じます。

ぐっと感じる、、、このうまい。という感覚。

コク、旨味との関係でいうと旨味を強く感じ、その背景では程よく自然な甘みが旨味とともに口に穏やかに広がるという印象ですした。
この甘みは添加されたものではなくとても自然由来なもので美味しいです。

後味はわりとさっぱりとしており、素材の入る隙間も多分にある印象です旨味の余韻が心地よく長く続のもいいですね。

あまり雑味のような部分が多くなく、全体的にすっきりで非常に上品な印象の味わいでした。

全体的な組み立てとして、前半しっかり系で中盤からはすーーーーっと。

程よく濃いそして濃すぎはしないお味のお醤油は、良い旨い素材ものと合わせてみたくなりました。

まずは鯛の押し寿司。
無類の押し寿司好きですが、目出鯛晴れの日はこれでいきましょう。
少しつけていただきます。

白子の松前焼き

カワハギと肝で肝醤油、サンマ、うにとしっかりした旨味を持つものとの相性も良いと思います。白子との相性もいいですね。しっかり醤油味も残しつつ素材の旨さもしっかり感じることができます。

白子との相性もいいですね。濃厚な白子の旨味に負けない


わさび飯

わさび飯にかけても頂きました。
出汁のあるような醤油もいいですが、こちらのお醤油でしっかり素材の旨さを感じるわさび飯も良かったです。

ローストビーフのソースに

もちろん魚だけでなく肉にも良いと思います。玉ねぎ、バルサミコ酢などと作ったローストビーフのソースにも使いました。

金目鯛の煮付け

つけ、かけだけではなく煮物などにも良いと思います。
味わいはしっかりしているので、様々なものへ使えるのはいいところですね。また煮付けにしたらとても綺麗な色の出来上がりになってとても嬉しい気持ちになりました。

全般的に言えることですが、どんなものと使っても味のバランスがあまり崩れない、とても使いやすいお醤油だなと感じました。

用途としては万能、QOLを上げてくれとても嬉しい気持ちになるそんなお醤油です。

晴レノ日ノ醤油 初搾り

災難をそのまま終わりとせず、そこから新しいものを作るという過程には多くの困難があったかと察しますが、凛とした佇まいのお醤油には強い気持ちを感じることができました。

味という点ももちろんなのですが、その背景を知って楽しむということもよいのではないかと思います。
いろいろ学ぶことが多い一本となりました。

※写真のサイズは150ml瓶です。おいしく頂きました。

ハチマル 晴レノ日ノ醤油
品 名    : こいくちしょうゆ(本醸造)
ブランド   : ハチマル
製造者    : ハチマル
カテゴリ   : 濃口醤油
発酵熟成   : -
仕 込    : -
原 料    : 大豆(兵庫県産丹波黒大豆)、小麦(北海道産ゆめちから)、食塩(沖縄県産海水塩)、水(取水地:静岡県富士宮市)
塩分濃度   : -
ホームページ : https://hachimaru.base.ec/
購入場所   : クラファン購入と提供品
作ったもの  : 刺身、肉料理、煮物いろいろ