ヒガシマル醤油 限定醸造淡口醤油 龍野乃刻
本日は限定醸造のお醤油の紹介です。
限定という言葉に弱い私ですが、皆様はいかがでしょうか。
今回の限定は兵庫県南西部に位置するたつの市龍野町にあるヒガシマル醤油さんのお醤油です。
日本の醤油5大メーカーにも名を連ねるヒガシマル醤油さんは関西醤油界の雄と言っても良いでしょう。日本の醤油業の中で先の5大メーカー含む大手6社が約6割のシェアを誇っているのですが、関西はこちらのヒガシマル醤油さんとマルキンby盛田(JFLAホールディングス)さんの2社のみです。
この2社どちらも日本の約4%前後のシェアを持っておりますが、ヒガシマル醤油さんは創業が1580年頃(機久屋)と400年を超える長き歴史がある企業です。
兵庫龍野から関西京都などへ進出をしながら淡口醤油の会社を吸収合併し大きくなっていったヒガシマル醤油さんですが、現在の社名は「ヒガシマル」は明治維新によって当時の龍野藩が龍野町富永にある藩直営の醤油醸造所「蔵」を払い下げるこなった際に、社の起源の一つである浅井醤油が購入したとこに由来します。この蔵が「東ノ丸」と呼ばれていたことと、「社運が旭日昇天の勢いなれかし」と東より太陽が登っていく勢いに願いをこめ、商標を 「ヒガシマル」としたそうです。
余談ですが、キッコーマン「亀甲+萬」ヤマサ「山+サ」マルキン「◯+金」フンドーキン「分銅+金」のように部首からの読みが多い中、ヒガシマル「東+◯」のように文字→部首の流れは、福岡のクルメキッコー「久留米+キッコー」くらいしか思いつかない気がします。
「東ノ丸」と呼ばれた蔵のそのままの流れでの呼び方がそのまま続いているということが正しいのかは不明ですが、関係はありそうですね。
戦前は、「菊一」「ヒガシマル」といくつかのブランドがあったものの、商標の統一を迫られた1940年(昭和15年)には、「菊東」というブランドで商品をだしていましたが、1949年(昭和 24)、に「ヒガシマル」の淡口醤油が復活、現在に至っています。
※上記は抜粋した歴史ではあります。詳細な歴史は調べてみると面白いですよ。
関東で淡口醤油に馴染みのない人でも知っているヒガシマル醤油。それはやはり「うどんスープ」のCMのおかげではないでしょうか。なんかくせになるメロディと歌詞。「うどんうどんうどんすーぷ」は病みつきです。ちなみにCMにでてくる牛くんは「まつざかくん」です。
そんなうどんのつゆでも関西地方は出汁の効いた淡口醤油で仕上げるのが定番ですが今回はそんなヒガシマル醤油さんの限定醸造の淡口醤油「龍野乃刻(たつののとき)」を頂きます。一年に限られた時のみに受注し、播磨産の原料のみで作る淡口醤油です。
「醤油を超えた。」「究極の淡口醤油」という予約パンフレットがありますが、パッケージも特別仕様で高級感もありますね。
お料理としては、卵かけご飯、大根の煮物、ローストビーフ、茶碗蒸し、酒蒸しなどやはりあまり色を付けたくない料理への使用を推奨していますね。またお刺身への使用も掲載していることから、調理だけではなく、つけかけにもよいということのようです。
軟水で鉄分の少ない保川の伏流水、播磨産の大豆、小麦、米、そして赤穂の塩と素材に拘った播磨龍野の淡口地醤油と呼べるこちらのお醤油は果たしてどのような味なのでしょうか。龍野の淡口醤油は米(甘酒)を使用しているという点が一つ大きな特徴となるのですが、こちらも同様に甘酒を使用している商品となりますのでこの点にも注目したい点ですね。
開栓すると良い香り、ふわーんと良い香りが漂います。
色も美しいですね。本品の色の利点を生かした調理が向いているのは間違いなさそうです。
一口くちにいれると、口に入れるとやわらかい甘み、塩味、旨味が一気におしよせます。「きゅーん」と感じるしっかりとした味わいでした。
やわらかい甘みとしっかりとした塩分。そしてどこかクセになるような奥深い旨味。それはとっても上品なのですが、力強い感じがしました。
口の中に転がしていると続いていく旨味と塩味も心地よいですね。
よくある濃口醤油では醤油感が強すぎると思う方には一度使ってみてほしい一本かもしれません。
そんなわけでまずは調理から。
この龍野乃刻が届くのは秋深い時期のためやはり美味しいのはキノコのごはんでしょうか。安価な松茸でしたので香りはそんなになかったですが味は美味でした。出来上がりが淡く綺麗に仕上がるのもはやはり良いところです。おこげはしっかり色もつきそれも美味しかったですよ。
おでん 親子丼
おでん、親子丼にも使いましたが素材からの味わいが活かせるという点で淡口醤油はとても良いですね。また本品は味わいもしっかりしているので、しっかり味はつく。けれど素材の味もきちんとする。醤油にもしっかり味わいがあるため、普通の淡口に比べ塩辛くなりすぎないというところはストロングポイントだと思います。
蒸し鶏のたれもこちらの醤油で使いました。
ごま油やにんにくなどをまぜ、たれとして使いましたが、こちらも美味。
酢などとの相性もいいので、ドレッシングなどへの転用も良いと思います。
もちろん漬け地に使っても美味しいです。
甘エビは美味しいですが、漬けるともっと美味しい。
甘みも増え濃厚になりますね。少ししっかりした漬け地のほうが相性が良さそうです。
鮭を漬けて焼いたりもしましたが、こちらも美味でしたよ。
甘みを強くしても良いかと思います。
最後はそばつゆに。
うどんではないですが、やはりつゆにも相性はよし。
しっかりと出汁を効かせたつゆは染み入りますね。
全体的な印象としてしっかり芯のある味わいと塩味と柔らかな甘味、そしてどこかクセになるような個性的な風味味わいがあるこちらのお醤油ですが、そのまま舐めたときの印象はとても真っ直ぐな印象でしたが、奥にある柔らかな甘さと甘さ印象の部分が、料理の相対的なバランスもまあるくしてくれる印象を受けました。
龍野乃刻は毎年6~9月までの予約販売ですので、頼むなら今!
そして届くのは11月以降の予定です。
興味のある方は試してみても良い一本だと思います。
※写真のサイズは310ml瓶です。おいしく頂きました。
ヒガシマル醤油 限定醸造淡口醤油 龍野乃刻 |
品 名 : うすくちしょうゆ(本醸造) |
ブランド : ヒガシマル醤油 |
製造者 : ヒガシマル醤油 |
カテゴリ : 淡口しょうゆ(うすくちしょうゆ) |
発酵熟成 : - |
仕 込 : - |
原 料 : 米(播磨産)、食塩(播磨産)、大豆(播磨産)、小麦(播磨産)、小麦たんぱく(播磨産) |
塩分濃度 : 約17.3% |
ホームページ : https://shop.higashimaru.co.jp/view/page/tatsunonotoki.html |
購入場所 : ネット通販 |
作ったもの : 出汁とともに。 |