魚汁 よしる 

今日は能登の魚醤です。
今回は魚汁「よしる」です。

石川県能登町といえば、巨大なイカのモニュメント「イカキング」のある町です。そのイカキングから約1キロほど南に行った場所にあるヤマサ商事さんが作る魚醤が今回の「よしる」です。

「よしる」って聞いたことないよね。

という方もいるかも知れませんが。
「よしる」とは魚醤である「いしる(魚汁)」の呼び方の一つで、魚の余った汁を意味することから「よしる(余汁)」と呼んだことからついた名前だそうです。能登の「いしる」の呼び方は、メーカーによっても多少違うようですが、鰯を原料とする魚醤は「よしり」、「よしる」、烏賊を原料とする魚醤は「いしり」、「いしる」というのがわりとメジャーのようですね。

汁ものや炒めもの、またベン漬けと呼ばれる漬け物、鍋などが定番の「いしる」ですが、はたして「よしる」はどのようなお味なのでしょうか。

蓋をあけるとやはり醤油とは違う魚系の香り。 魚の発酵感じますね。 
魚醤は臭いとなどと言われたりもしますが、そこまでも香りではないような気がします。 

口にいれると強い塩味と強い魚系の旨味たっぷり口にひろがります。方向性としては干物を濃縮したような味わいというのが良いのでしょうか。 甘味のような部分はあまり感じることはなくどちらかというとアンチョビなどとも近い印象ですね。

いわしに塩を加え、18ヶ月以上発酵させた魚醤はやはり鰯の味わいはするもののどこかまろやかな印象を受けました。
使用の際には、なるべく沈殿物を混ぜないように上澄みだけつかうのが良いそうですよ。 

 こちらは頂いたものなのですが、お塩の代わりとして使うと良いというお話を聞いていたおり、使ってみるとまさにその通りの印象でした。
塩の代わりに使うと旨味とコクががついてくるお得な調味料といった感じです。
以前に使った鵠沼の魚醤に比べるとより醤油よりの印象ですね。クセなどは多くなく使いやすい印象でした。これだと幅広い用途への使用が可能ですので、これは嬉しいところですね!

まずはやはり汁物です。

汁もののベースにはこちら一本あると助かります。
出汁を引かずにもうまい魚味が作れるのですが、さらに鶏や豚などの出汁と魚醤があればスーパーなダブルスープが簡単に作れるのが良いところです。
お雑煮は鶏の出汁を使って、スープ餃子は中華出汁を使って作りました。

他の出汁との相性も良いためにどんなものにも使いやすいですね!ただ塩分が23%と高いため、入れる量には注意して使いたいです。

洋風なものスープへの使用も良いかもしれません。
アスパラガスのスープにも少量使ってみましたが、程よく旨味がのってくれて美味しかったです。量によっては、野菜の味に勝ってしまうので、こちらも量には気を付けて使うのが良いと思います。

もちろん汁物だけではなく炒め物、ソースにも使うのも良いですよ!
チャーハンの味付けは鍋肌にかけてあおっていきましょう。火の入った旨味と香りはこれまた最高です。
カオマンガイではソースに使いました。
鶏の汁、よしる、にんにく、ごま油などで作ったソースはこれまた良い!ソースでした。

ナムルの味付けなどにもよしるは大活躍です。
にんにくごま油との相性はカオマンガイでも実証済。
この「よしる」、「にんにく」、「ごま油」はサッカーでいうところの中盤の核をなすトリオとなってくれます。安定感抜群でボールキープをしてくれることも違いなしですね!高速ウインガーの「生姜」も相性抜群のはずですよ。

話は戻りますが、もちろん下味に使っても美味しいので、唐揚げなどには抜群です。濃口醤油などよりは色が穏やかなので、出来上がりも良い色合いになってくれますね。もちろんここにも「にんにく」「生姜」ははまってくれると思います。


刺身に直接つかうという方もいるそうですので、つけにも良いとおもいます。

汁物からつけかけ、そして隠し味までと本当に万能に活躍してくれるこちらの調味料ですが、現在は能登地震の影響で生産が止まっている状況だそうです。
この地震の影響では、250本ほどあった貯蔵タンクの50本ほどが破損し醪の取り出しなどの復旧作業を優先としたため、現在は3月の仕込み再開を目指し作業をしているそうです。
この美味しい万能調味料のより早い仕込みの復帰ができるよう願っております。

※写真のサイズは500mlボトルです。おいしく頂きました。

魚汁 よしる
名 称    : 魚醤
ブランド   : -
製造者    : ヤマサ商事
カテゴリ   : 魚醤
発酵熟成   : -
仕 込    : -
原 料    : いわし、粉砕塩、米糀
塩分濃度   : 約23%
ホームページ :
購入場所   : 頂きもの
作ったもの  : なんでもいける!